ゆき林檎【グッドバイライラック】BLコミックス感想 こんなに人を好きになったのは初めてです。

電子書籍で読みました。CRAFT作品!2016年おすすめBL傑作選!
そういえばCRAFTってこれと言って注目して読んだことがないです。でも執筆陣みたらすんごい豪華!というより私の好きな作家さんが揃いに揃ってるからこれって読めってこと?としばらく考えていました(n*´ω`*n)
そうかぁ、、、大洋図書さんでしたか!そりゃ私好みのはずです。
グッドバイライラックのコミックス情報(電子書籍)
評価については、とにかく高評価!ゆき林檎さんが好きだというのもあるのですが、本当に人間の心の揺れがよく表現してあり気が付けば感情移入してしまっているという感じでしょうか・・。絵柄も哀愁漂うような表情が似合う作家さんです。
グッドバイライラックの内容紹介
高校教師の笠井にとって、 加藤怜二という生徒は手のかかる、だけど可愛い生徒だった。 加藤から好意を告げられても、 教師と生徒のラインを越えることもなく 春の訪れとともに、加藤の卒業を見送った。 あれから数年。加藤は教師となって、 笠井の勤める高校に赴任してきて── (Renta!の内容紹介より抜粋)
登場人物
笠井先生:高校教師。26歳で加藤の担任になり、その後再会したときは31歳くらい。(5年後なので)。あまり恋愛体質ではない。
加藤教え子。在学時から先生にアタックするも脈なし。その後教職を目指し5年後に笠井と同じ高校に赴任してくる。まっすぐで情熱的な子。でも貞操観念は低い。。。
グッドバイライラックの見どころポイント
1冊まるまるこの2人のストーリーでアッという間にストーリーに引き込まれます。
今回のBLは教師と元教え子。高校生時代からスタートしていきます。教え子が教師を好きになり自分も教師を目指す。これはよくあるパターンなのですが、この笠井先生が本当に自分に厳しいと言いますか・・・先生目線でみればものすごく教師たるもの!のような厳しさと特定の子をひいきしてはいけないという葛藤が見て取れてこれはLoveまで行くのだろうか?とドキドキしながら読み進めました。
ただくすぐったいようなBLでは全くなく、教師と教え子だから、男と男だからという葛藤にしっかりと焦点があてられてて先生の気持ちが痛いほど伝わってきました。それでもかわいい加藤。。。先生が少しずつ絆され、加藤と一緒にいるということについて考えはじめるのには萌えましたネ。
先生は良くも悪くも冷静な人。それに比べ加藤は感情で突っ走っちゃうところがある気がします。それでもやっぱり読んでいると加藤くんかわいいんです・・・高校生の時はちょっと大人びたような感じがしてたのに教師になった加藤はほんと押しかけ女房のようでいじらしかったです。
そして私が一番好きな箇所は、最後の最後に加藤に先生が自分の気持ちを素直に伝えるところ。
幸せにするなんて無責任な事は言えない だけれど加藤に起こる不幸を半分持ってやることはできる
そういう先生に、先生・・・俺のこと好きですか?と。笠井先生の答えは
愛しいよ
でした。好きだよではないんです。愛しいよです。好きとかどうとかそういう気持ちはわからないのかもしれない、だけれど特別な感情は確かにあるのだとこのセリフを読んで思いました。これが精いっぱいの笠井先生の答え。
この答え方がすごく好きでした。情が愛に変わることがあるのだろうか?とほかの先生に問うたことがありました。まさにその答えなのかな?と。
愛しいというのは好きだという言葉より、もっともっと広く大きく加藤を包み込む言葉だと思うんです。先生だからこそ出てきた言葉なのかなと思って私はこの場面がすごく好きです。。。
2人をつなぐアイテム
今回のグッドバイライラックには2人をつなぐアイテムがありましたね。メンソールの飴、メンソールのタバコ。すごく印象的な使い方がしてありました。。。
加藤が落ち込んでた時に笠井先生がメンソールの飴をあげたことから2人の接点が生まれていきます。その後、加藤はメンソールのタバコを吸うようになるのですが、高校卒業時にこのたばこを笠井先生に置いていくんです。
そして5年後の再会。加藤はタバコはやめていて逆に笠井先生がメンソールのタバコを吸っていました。自分が置いて行ったタバコを吸っている先生を見て過去の気持ちが蘇ってくる加藤。この使い方は本当にうまいと思いました・・・。
身体にいい事なんて一つもないのに、やめてもずっとからの奥には残ってて簡単なきっかけですぐ思い出しちゃう。
これは先生の家でまたタバコを吸った加藤のセリフです。この言葉にかけて自分の気持ちも思い出してしまったと言っているんですね。
何年経っても先生と生徒
ハイ、先生と元教え子の面白いところですよね!お互い社会人になっているというのにいつまで経っても先生と生徒なのです(n*´ω`*n)
5年の間に加藤は男も女も経験しています。それに加藤は酔っぱらうと貞操観念が低くなるという・・・。危なっかしい加藤をほっとけないのも先生の性格なのかもしれないですが、知らないうちに庇護欲が出てたのかもしれませんね。
それでも加藤と一線を越えてしまった笠井先生の気持ち・・・この描写はすごくズシンと来ました。教え子となんてムリだと思ってた、ましてやゲイでもショタコンでもないのに・・・と。そして自分は何をやっているんだろう?酔った勢いで教え子とやるような教師が教壇に立ってまっとうぶって生徒に何を教えるというのか?
まじめな先生だからこそ思うことですね・・・特に生徒となんて絶対無理だと。いくら今は先生になった加藤も笠井からみたら生徒なんです。
関係が変わるきっかけ
身体の関係を持ってしまったのも一つではありますが、やはり加藤の元カレによるリベンジポルノの件が大きくかかわってきます。
きっと元カレは加藤がすごく好きだったのでしょう・・・加藤はこの人を先生に重ねてた描写がありましたね。だからこそ、先生のもとへ走った加藤を許せなかったのかもしれません・・・。
この件で学校を辞職に追い込まれそうになった加藤を必死にかばい、そしてふと消えた加藤を必死に探す先生がいました。。。きっと探すという事はもうこの時点で先生の気持ちはある程度決まってたのかなと思います。
仕方ないなお前かわいいから
この2人の気持ちが通じる場面は必見です!加藤の場所を探し当てた先生。先生が来てくれたことが嬉しくて舞い上がってしまっている加藤。でも加藤は旅行から帰ったら先生を忘れて新しく一からスタートするつもりだったようです。
そんな加藤に、「お前が女だったらよかったのに」と思ったことがあるという笠井。今まで女としか付き合ったことがないからだと言います。
これって女性なら付き合ってるということでしょうね(n*´ω`*n)生徒となんて!っておもてった笠井からのこのセリフ~。
そして男だから無理だと思ってたのに仕方ないなお前かわいいからと。
そして私のスキなシーンです💛
先生のデレが最高!
結ばれた2人ですが・・・これといって濃厚なエロはなかったですね!
最後も事後でしたし。ですが最後は違いますよ~!
先生がデレております💛
数少ない先生のデレ・・・きゅんとしました!
グッドバイライラック
花言葉は初恋や純潔などがあるようです。白と紫で花言葉が違うというのを見かけました。なんだか素敵ですよね。
初恋よサヨウナラというでしょうか。最初見たときにグッドバイがつくとやばいな悲恋系かな?と不安になりましたがすっごく読後感も良かったです!感情移入がマイナス1なのは、加藤君が先生を思って誰とも付き合ってなかったらよかったなか~という勝手な願望です(笑)
玉響同様に、繰り返し繰り返し読んでその世界観に浸りたい作品かもしれません。健気さ、一途さ、それに対する超えてはいけない壁・・・教師と生徒だからこそのストーリー展開だし面白かったですね。早くくっついちゃって!!!という人にはかなりもどかしいと思いますが・・・どちらの目線にもなって読んでみるときっと共感できる部分がたくさんあると思います(o^―^o)
ということで感想でした。
気になる方は是非チェックしてみてくださいね!
ゆき林檎さんのその他絶対読んでみて欲しいコミックス
Comment
藤雪さん、こんばんは♪
『グッドバイライラック』がアップされるのを楽しみにしていました(笑)。
ゆき林檎先生は、アイテム使いがとてもお上手ですよね。
『玉響』はビー玉。
『グッドバイライラック』はメンソール。
泣いている加藤に先生があげたメンソールのガム。
喫煙し出した加藤が選んだメンソールのタバコ。
加藤は、卒業式の前日に、タバコを先生にあげてやめることで、先生への気持ちを封印したのでしょうね。
なのに、先生はそれからそのタバコを吸っていて…。
それを知って、加藤の先生への気持ちの封印がとけちゃいましたよね。
加藤が「何度か吸いたいなーと思っても、その度違うもので代用していたけれど、本物には適わないですね…」って、タバコが先生の比喩になっていましたね。
結局、離れていた時間も、メンソールのタバコがふたりをつないでいたのですよね。
封印がとけてからの加藤は先生に甘えて、頬を赤らめて「好き」と言う加藤がとても可愛くて、可愛くて…(笑)。
私も、先生の「愛しいよ」の言葉に感動しました。
「好き」と言う言葉よりも、もっと深くて、大きくて、優しくて…。
可愛くて、助けてやりたくて、何でもしてやりたい。
この気持ちは、教え子に対する「情」だけではない、「愛」も感じますよね。
同僚の先生が『情愛』と言っていたけれど、まさにその通りですよね。
加藤を優しく包み込む愛ある言葉だな…と思いました。
そりゃ、加藤も泣いちゃいますよね!
描き下ろしの『先生との日々。』。
加藤は相変わらず可愛いし、先生の甘える姿や照れる姿も見られて、大満足でした!
加藤の最後の笑顔、そして、「あの頃のオレに自慢したい」の言葉。
すごく幸せな気持ちになりました♪
そうそう、CRAFTは、木下けい子先生や山本小鉄子先生、紀伊カンナ先生など、大好きな作家さんの作品が掲載されているので購入しているのですが、3ヶ月に1度の発刊なのでいつも待ち遠しいです!