雨隠ギド『青い鳥より』幸せのパラドックス

青年発火点のその後のストーリー。 本当の幸せってどこにあるのだろう?

青年発火点の感想をUPしましたが、今回はその後のストーリーになっています。
優しく流れる時間に満足しているはずなのに、でも幸せ過ぎてふと不安になることもある。本当に彼にとっての幸せは何なのだろう?そこに自分はいるのだろうか、いないほうがいいのではないだろうか・・・そんなことで悩んでしまう。

でも、本当に幸せってもちろん追い求めるものでもあるけれど、先を見すぎて足許見失ったらダメだよと教えてくれるようなストーリーになっていると思います。
追い求めすぎて自分たちを見失うことがないよう・・・今ある幸せを大事にしてこそまた新たに追い求めるものだと思ったりもします。

コミックス情報


新書館(2015/11/15)
5 ピュア

作品内容
塾講師になった学(まなぶ)と、役所勤めの山隈(やまぐま)。
七年経っても変わらず互いを尊重し初々しく慈しみ合う二人だったが、ある日、山隈の甥っ子の小学生・蒼太(そうた)を預かることになる。山隈にそっくりな蒼太を見ているうち、学の心にはある不安が芽生え……?
「青年発火点」七年後エピソード登場!「火傷と爪痕」の古賀と名島の続篇も収録。

 

藤雪
先輩・後輩 同棲中 別カプ収録 ちょっと泣ける
山隈(攻):学を溺愛している。
目白:(受)塾講師。山隈の先輩
蒼太:山隈姉の子。第二小の夜王

 

『青い鳥より』Contents

◆『青い鳥より』1話・2話・last

◆君で最後 前編・後編

◆ドラマCD アフレコレポート(青年発火点)

◆青い鳥へ

◆名島よ・・・

◆君と最後まで

◆あとがき

全199ページ(Renta!調べ)

みどころ・おすすめポイント

青年発火点から引き続き・・・2人のピュアな気持ちが作品の良さを引き立てていると言っても過言ではないこの作品。大人になった今でも変わらずに大好きでいつまでたっても気持ちが高校生の時のような2人。。。。

ただ、幸せだからこそふと立ち止まったときに襲ってくる不安があるのですよね。
この不安はやはり男の子同士という関係にはつきものなのかもしれません。でも立ち止まって周りを見渡して気づく幸せ。
これが「青い鳥」なのでしょうね。。。本当は今まで築き上げてきた2人の生活だったり関係の中に幸せがあるのだとこのストーリーを読んで思いました。

幸せは常に探し求めるもの・・・。でも「幸せ」っていうものはカタチにはなかなか現れないものなので手に入れたと思っても本当にそうなの?どうなの?まだ他にあるのじゃないの?とおもちゃうのでしょうね。いや・・・これは青い鳥症候群の事ですね(笑)「青い鳥」と「青い鳥症候群」って本当に紙一重ですよね。

結局のところ、自分たちが満足するかしないかなのですよねぇ・・・・。

第二小の夜王がいい働きをしている

いやぁ~最近の小学生はこんな感じの子多いのかしら(n´ω`n)マセててかわいいやらかわいくないやら(笑)
でも山隈よりもデートの心得を知っていたりしてちょっと笑ってしまいました。

山隈はまだまだね~ってなんだか思っちゃうくらいでしたね。小学生という武器を最大限に生かした楽しみ方・・・・さすがは夜王ですわ💛

最後も夜王さまの計画に2人が乗って色々探すというのはとても良かったです。一個一個解決していきましたよね。

理解しているはずなのに悩んでしまう

今回の「青い鳥より」で最大の山場はやはり学(目白)の悩みでしょうか。男の子同士で一緒にいるという事で理解や納得して一緒にいるはずなのにふと周りを見たときに変な感覚が襲ってきたのですよね。

山隈と子供、奥さん・・・・学が山隈を手離せないと本当に思っているからこその悩みなんですよね。自分がいるから彼は家族を持てないのではないか、本当は違う幸せがあるんじゃないか・・・・。BLを読んでいるとこの問題ってよく出てきます。

真剣に将来一緒にいようと思えば思うほど考えてしまう問題なのかなといつも考えさせられます。

こういう問題が出てくると一気にシリアス展開になっていくんですよね。真剣に一緒にいるためには避けては通れない問題なのかもしれませんがやっぱりどの作品を読んでも胸が痛みます。
特にどちらもゲイというわけではないので(多分ね)出てくる考えなのかなと思ったりも。

近寄ってくる女の子がいるはず、その中に気の合う子がいたら?どうなる?と想像しては苦しんじゃう。今に不満があるわけでもないのに、無性に不安になってしまう。こういうのってあるあるですよね。

色々あるから面白いなんて言っておいて

ハッピーエンドかどうかだけ先に知りたがってる・・・

「今」一緒にいても五年後、十年後の自分たちが想像できない。う~ん・・・個人的には今が積み重なっていって将来があると思うほうなので「将来も一緒にいる」っていう想像ってあまりしたくないほうなんですよね。だって何があるかなんてわからないのですから。

こういうのって考えるのはもちろん必要なんだけれど先の事を考えて不安になって「今ある幸せ」を崩しかねない状況を作るっているのは本末転倒だなぁって思ってしまうんです。

でもね、そういってても学の気持ちもわかるんです。山隈が本当は見合いの話があったことを聞かされた時に言うんですよね。

僕 君が好きだ
その気持ちでここまで来たけど 本当にいいのかな

自分たちの関係は決して皆が認めてくれる関係ではないんですよね。マイノリティな関係ですから。色々な人と付き合いも出来てくる、その中で将来も一緒にいることに対していいのかなと考えてしまっていたんですよね。

いいに決まってるだろ
好きだって気持ちが一番だ!

 

ここもね、いい場面だと個人的には思うんです。山隈のこのセリフで学ぶがなぜこんな事を考えたのかはっきりと答えが出るんですよね。「山隈に嫉妬してた」と。

山隈は潔い。好きだから一緒にいると声を大にして言えるし、それも行動で示せているんです。なのに自分はどうだろう?山隈の幸せとは・・・と考えながら自分の覚悟の足りなさを自覚していたのでしょうね。だからこそ、自分自身で何かやり遂げたいと思って「時間が欲しい」と言ったのだと思います。

前向きになれるための時間

学は山隈に一人で考える時間が欲しいと言ってあることをしようと決心するんですね。でもそれは自分が前向きに進むためのもの。

君にふさわしい
かっこいいやつになりたい

そして覚悟を決めて自分のやるべきことをするんです。

小説家になりたかったという夢のために応募すること。自分の家族に山隈を紹介すること。

自分にあまり興味がないんだという母親に対して山隈がしっかりと大きな声で息子さんと僕は幸せになるのでよろしくお願いします!と言った場面はかっこよかったですね(n´ω`n)

学のコンプレックスだったんですね。小説家になるという夢と親。
山隈の事を考えて不安になってた学でしたけれど、結局は自分にコンプレックスがあって山隈にふさわしくないかもと思ったのが発端だったのかもしれません。

最後に山隈が「センパイ」って学の事を読んだとき、高校生の2人に戻った気がしてきゅんとしました。

漠然と将来の事を考えて不安になってた学でしたが、根本的なものに気が付いて、それを解消したことで一緒にいる覚悟もできたのかなと思います。遠くを見るだけじゃなく、近くを見てこそ気が付くものですね(o^―o)ここが「青い鳥」になぞられているのかもしれません。

もうここからは2人が可愛くてかわいくて。作中で幸せは手に入ったと思ったら逃げていくものなのだ、だからいつまでも探し続けなければいけないと言っています。

これからも2人で一緒に「幸せ」を探し続けていってほしいですね。

名島と古賀

こちらは、スピンオフ作品の『火傷と爪痕』を読んでからの方がいいと思います。

どちらかというと、山隈・目白カプの方が好きなのですが・・・。こちらは大人の拗らせ愛という感じでしょうか。
こちらはねぇ・・・なんていうか・・・・共感できるところがあるような、ないような(笑)

姿を急にくらませるなんてけしから~ん!!!

でも何だかんだでツンデレ健気な古賀が好きなので結末は良かったです(n´ω`n)

感想のまとめ

個人的には青年発火点の2人が好きですが、これは好みが分かれそうです。ただ、どちらのカップルも「自分たちなりの幸せ」を見つけたかな?というストーリーになっているので概ね満足いく1冊。「青年発火点」を読まれて気に入られた方はこちらも必ず読んで!と言いたいです。

7年一緒にいると言うだけでもホッとしながら萌えたのですが7年経ってもピュアさの残るストーリーになっててすごく良かったです♪

長年付き合っているカップルのストーリーが好み!という方にも是非読んでもらいたいなと思う1冊になっているので興味のある方はぜひ💛

青年発火点 雨隠ギド/新書館 (2014/6/30)

 

青い鳥より 雨隠ギド/新書館 (2015/10/30)

 

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